クラシックギターって何?アコースティックギターって何?
初心者にとってはどれも同じに見えるかもしれませんが、ギターにはいろいろな種類があります。この記事では、以下の内容でギターの違いについて説明しています。
- アコースティックギターとは?
- クラシックギターとアコギ、外見の違い
- クラシックギターとアコギ、音楽的な違い
- クラシックギターとアコースティックギター Q&A
1. アコースティックギターとは?
アコースティックギターといえば、どんなギターでしょうか?アコースティックという言葉を英和辞書で調べてみました。
acoustic
=(形容詞)アンプを用いない
つまり、エレキギター以外の生音のギターがアコースティックギターです。ということは、フォークギターもクラシックギターもアコースティックギターということになります。
これは間違いではないのですが、コトはそう簡単ではありません。ギターは進化の過程でいろいろな名前で呼ばれてきました。なので、世代によって呼び名が違ったりするのでややこしいです。
今では一般的にアコースティックギターというとフォークギターを指すことが多いです。
アコースティックギターとは
広義では、アンプを使わないギター。フォークギターやクラシックギターなどを指す。
狭義では、 フォークギターを指す。アコギともいう。
※ ここからはフォークギターの表記をアコギで統一します。
2. クラシックギターとアコギ、外見の違い
画像は、左がクラシックギター、右がアコギです。
各部の名称はどちらもほぼ同じ。言い方を覚えておくと便利です。この二つをよく見比べてください。いろいろ違うところが見つかります。
ヘッドとネックの違い
ヘッド部分
クラシックギター(左)は穴の開いた形状。アコギ(右)は穴が開いていません。ただし、アコギにもクラシックギターと同じように穴の開いたものもあります。
ネック部分
クラシックギターは幅が太く薄い。アコギは幅が細く、やや厚みがあります。アコギにはポジションマークがついています。
ボディの違い
ブリッジ部分
弦の止め方が違います。左のクラシックギターは穴に通して巻き付けます。右のアコギはブリッジピンで押し付けて弦を止めます。
アコギにだけあるもの
アコギにはピックガードがあります。ピックを使って弾くことが多いので、ボディを守るためについています。また、立って弾けるよう、ストラップをつけるためのピンもついています。
弦の違い
アコギにはいろいろなデザインがあり、外見的にクラシックギターに近いモデルもあります。でも、決定的に違うのは弦の素材です。
<クラギ> ナイロン製の弦
<アコギ> スチール製の弦
昔はナイロン製のものがなく、羊の腸(ガット)を使っていました。そのため、クラシックギターはガットギターとも呼ばれています。
クラギとアコギ、外見のちがい
最大の違いは弦の素材。
クラギはナイロン弦、アコギはスチール弦。
クラシックギター とガットギターは同じもの。
3. クラシックギターとアコギ、音楽的な違い
音の違い
弦の素材が違うので、音色も全く違います。
ナイロン製の弦を指で弾くので、クラシックギターはやわらかな音色が出ます。
スチール製の弦をピックで弾くので、アコギは張りのある大きい音が出ます。
演奏スタイルの違い
弾き語り
「弾き語り」とは、一人で伴奏をつけながら歌うことです。
「ゆず」や「あいみょん」など多くのシンガーソングライターがアコギを使っています。ピックを使って弦をかき鳴らすと、きらびやかで大きな音が出ます。弾き語りはアコギの得意分野です。
でも、ボサノバなどはクラシックギターを使いますし、日本のアーティストでもクラシックギターを使っている人はたくさんいます。
印象は違いますが、歌の伴奏はクラギでもアコギでもどちらでも弾けます。
ソロ(独奏)
歌を歌わず、メロディーと伴奏を一人で弾くことをソロ(=独奏)といいます。
ソロはクラシックギターの得意分野です。メロディーをギターで歌わせながら、小さい音から大きい音、柔らかい音からハードな音まで、右手の指先を使って表情豊かに演奏します。クラシックギターの醍醐味です。
クラシックギターでは、バロック、古典派、ロマン派、現代音楽など、いわゆるクラシック音楽もやりますが、ポピュラー音楽などもやります。ピアノソロのイメージです。どんな曲を演奏するかはこちらのブログを参考にしてください。
みんなで弾く
持ち運びが簡単なギターは、みんなで一緒に楽しめる楽器でもあります。
<クラギの場合>
曲をいくつかの声部に分けて、複数の人でその各声部を弾くことを重奏と言います。ソロよりさらに豊かな音楽にすることが可能です。動画は小原聖子トリオのコンサートの抜粋です。三重奏、二重奏、ソロを演奏しています。
<アコギの場合>
アコギの場合、みんなでやるとバンド編成になります。アコギ2本だけのフォークデュオ(ゆずやコブクロなど)もありますし、ドラムやベースなどが入ったものもあります。路上ライブなどでもよく見かけますね。
クラギとアコギ、演奏スタイルの違い
弾き語りはアコギでもクラギでもできる。
クラギの音色は多様で、ソロが醍醐味。
アコギは音量があり、きらびやかで、弾き語りに向いている。
4. クラシックギターとアコースティックギター Q&A
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はじめてのギター。クラギとアコギ、どちらがおススメ?
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「好きなアーティストのまねをしたい」とか「あの映画音楽が弾きたい」とか、自分がやりたい音楽をやるのが一番です。それに合わせてギターを選びましょう。なんといってもこれが大事!
ただ、「ギターの音色っていいなぁ」「ギターを弾いてみたいなぁ」と漠然と思っている人も多いのではないでしょうか?そういう場合はクラシックギターをおススメします。
クラシックギターの場合、レッスンのメソッドが確立されているので、演奏技術と音楽的な知識を効率よく身につけることができます。そのあと、アコギやエレキギターが弾きたくなってもいくらでも対応できます。
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クラギとアコギ、どちらが難しい?
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コード(和音)を弾いて伴奏をつけるぐらいなら、どちらもそんなに難しくはありません。
クラシックギターの楽しみはソロ(独奏)にあります。最初は簡単ですが、レベルが上がれば、技術的にとても難しくなります。説得力のある演奏をするために、曲の分析も必要になります。
一方、アコギの楽しみは弾き語り。歌の伴奏は技術的には簡単です。だからと言ってアコギが簡単かというとそうではありません。コード進行を工夫したり、かっこいいアドリブを入れたりするためにはセンスが必要です。良い音楽をいっぱい聞いてセンスを磨いていくことが必要になります。
どちらも簡単で、どちらも難しい。でも、それが楽しみでもあるわけです。
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アコギでクラシックギターのソロは弾ける?
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クラシックギターのソロは右手指先を使って細かなニュアンスをつけて弾きます。アコギのスチール弦では音が均質で上手くいきません。
クラシックギターはネックが太いので押さえにくいと思うかもしれません。でも、ナイロン弦はやわらかく、ネックの厚みが薄いので、実はとても押さえやすいのです。
アコギでもソロギターといって、メロディーと伴奏を一緒に弾くスタイルがあります。こちらは細かなニュアンスというよりも、ノリやグルーブ感重視の音楽です。ソロはソロでもそれぞれ違った雰囲気ですが、どちらもかっこいいです。