【初心者講座3】TAB譜について

1.TAB譜ってなに?

二声の楽譜(バッハ)

さぁ、楽譜を見てとりあえず弾いてみましょう。…といわれても、どうすれば?

楽譜が苦手な人はすぐにあきらめてしまうかも知れません。楽譜が読める人でも、ギターのポジションがわからなければ難しいでしょう。

ギターのような弦楽器の場合、同じ音のポジションは1つではなく、あちこちにあります。どこを押さえればいいのか、簡単ではありません。

じゃあ、これはどうでしょう? TAB譜です。

タブ譜例

五線ではなく6本の線があります。線はギターの弦、数字はフレットの位置を表しています。楽譜が全く読めなくても、どこに何の音があるのかわからなくても、この通り押さえて弾けば、とりあえず楽譜どおりの音は出せます。

2.TAB譜の読み方

TAB譜は五線譜と一緒に二段組で書かれるのが普通です。

タブ譜の読み方

読み方は簡単。6本の線は弦です。下から上に向かって6→1弦を表しています。ギターダイヤグラムと同じですね。TAB譜上の数字はフレットの位置を表しています。音符の長さは五線譜の形と似ています。五線譜と見比べるとわかりやすいです。

3.TAB譜のメリット・デメリット

初心者でもTAB譜を使えばギターが弾ける。これはすごいメリット! でも残念なのは、TAB譜だけを見ても音の高さや音楽の流れがつかめないことです。視覚的な情報しかありません。これは大きなデメリット。

昔、エレキギターやフォークギターを弾いていた頃、TAB譜にはとてもお世話になりました。その時は、TAB譜でポジションを確認し、あとは耳を頼りに弾いてました。

クラシックギターでも同じように、暗譜して耳を頼りに弾くことができれば良いのですが、これがなかなか難しい。クラシックギターでは楽譜を見ながら弾くことが多いのです。そうなるとTAB譜のデメリットは大きいです。

クラシックギターにおけるTAB譜は、初めての人でも何か1曲、楽しめるようになるためのツール。自転車の補助輪みたいなものです。最初は良いですが、いつまでもそれに頼っていては本当の楽しさがわからないでしょう。

3.楽譜の勉強をしよう

「結局、楽譜(五線譜)か、、、」とうなだれている方がいるかも。楽譜が読めないという人は多いです。でも、冷静に考えてください。今までに本当に楽譜の勉強をしたことがありますか?

「楽譜が読める」と自信をもって言う人は、子どもの頃に何か楽器を習ったことがある人ではないでしょうか。学校の音楽の授業でちょっとやっただけでは読めるようにはなりません。やってないから読めないだけです。苦手意識は不要。これから勉強すれば大丈夫です。

次回の初心者講座「クラシックギター譜の読み方」で一緒に勉強しましょう。

ところで余談ですが、弦楽器のこういう悩みは今に始まったことではなく、昔のヨーロッパでも同じだったようです。というのも、ウィキペディアによるとTAB譜が最初に出版されたのは1507年。リュートのためのものです。

リュート弾き
カラヴァッジョ <リュート弾き>

カラヴァッジョの「リュート弾き」の中には楽譜が描かれています。どんな楽譜だったのでしょうか?想像すると楽しいです。