ギターを始めたい人、必見!クラシックギターでどんな曲を弾くの?

ギターを弾いてみたいけど、いろいろ疑問だらけで、何から手をつけたらいいのか、わからない人も多いのではないでしょうか?

一口にギターといっても、いろいろなジャンルの音楽で使われています。ロックやジャズならエレキギターを使うことが多いし、ポップスならエレキギターもアコースティックギター(フォークギター)も使います。

じゃあクラシックギターは? クラシックというジャンルから、ギターを思い浮かべる人は少ないかもしれません。ピアノと同じような位置づけと考えるとわかりやすいです。

クラシックギターはピアノと同様、守備範囲の広い楽器です。クラシックのジャンルで、オーケストラをしたがえて演奏する協奏曲、ソロのために作られた曲もあります。クラシック以外でも、ポップスや映画音楽を編曲したものもよく演奏します。もちろん、歌の伴奏や弾き語りにも使われます。

要するに、どんな音楽でも気軽に楽しめる楽器なのです。

クラシックギターの有名な曲

これからクラシックギターを始めたい人のために、どんなものか、ざっくりわかるように、有名な曲を集めてみました。

<協奏曲>

アランフェス協奏曲 第二楽章(アダージョ)
ホアキン・ロドリーゴ(1901-1999)

ギター協奏曲といえば、何といってもロドリーゴの「アランフェス協奏曲」です。ホルンとギターの美しいメロディーが絶妙にかけあいます。

スペインを代表するこのギター協奏曲は、ジャズピアニスト、チックコリアの「スペイン」でもイントロとして使われています。

<独奏曲(ソロ)> ギターオリジナル曲

クラシックのピアノというと、どんな作曲家を思い浮かべるでしょうか?ベートーベン、ショパン、リスト…たくさん思い浮かびます。

クラシックギターでは、ソルやジュリアーニ、タレガなどイタリア人やスペイン人の作曲家が活躍しています。後に、南米でも盛んになります。

魔笛の主題による変奏曲
フェルナンド・ソル(1778-1839)

ソルはロンドン滞在中にモーツァルトの「魔笛」の初演を観ました。そして、第1幕の終わりに歌われた「なんと素敵な響き」という歌のメロディを主題にして変奏曲を作りました。

動画は小原聖子氏の演奏でです。

アルハンブラ宮殿の思い出
フランシスコ・タレガ(1852-1909)

19世紀後半には「近代ギターの父」フランシスコ・タレガが活躍します。

スペイン南部のアンダルシア地方にあるアルハンブラ宮殿。長い歴史の中で、かつて栄えたイスラムの文化とヨーロッパの文化が交錯する場所です。

ギター曲の中で最も有名な曲の1つです。

ショーロス第1番
エイトール・ヴィラ=ロボス(1887-1959)

20世紀に入ってからは、南米で、現地のリズムやメロディーと相まった独特の音楽が生み出され、今では定番曲となっています。

南米最大の作曲家ヴィラ=ロボスは、ギタリストの大切なレパートリーとなる曲もたくさん書いています。

ワルツ第4番
アグスティン・バリオス(1885-1944)

南米パラグアイ生まれのバリオスもたくさんのギター曲を書いています。

動画は松澤結子氏の演奏です。踊り手の可憐な様子が目に浮かびます。


<独奏曲(ソロ)> ギター用に編曲された曲

ほかの楽器の曲をギター用に編曲されたものもたくさんあります。バッハのヴァイオリンやチェロの曲、アルベニスやグラナドスのピアノ曲など、ギターで弾くとまた違った魅力が引き出されています。

フーガ ト短調 BWV1000
J.S.バッハ(1685-1750)

バッハの無伴奏ヴァイオリンやチェロ、リュートの曲はよくギターで演奏されます。

フーガ ト短調 BWV1000は、無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番(BWV1001)の第2楽章フーガをリュートのために編曲されたものです。

アストリアス(伝説)
イサ―ク・アルベニス(1860-1909)

いかにもスペイン、南部アンダルシアを思い起こさせる曲で、ピアノよりもギターで弾かれることが多いです。

タイトルのアストリアスはスペイン北部の州の名前で、スペインのイメージとは遠く、雨が多く緑あふれる場所。

実は作曲者アルベニスの意図ではなく、後に名付けられたタイトルだそうです。

花は咲く
菅野よう子

歌が持つ歌詞や声の力は偉大です。でも、時にはギターだけでしっとりと。

ギターが歌い、伴奏もする。声とはまた、違った魅力があります。

重奏も楽しい!

ピアノとギターの守備範囲は似ています。じゃあ決定的に違うのは何でしょうか?

ピアノは右手の指5本でメロディーを弾き、左手の指5本で伴奏を弾くことが多いです。右手と左手が別人格です。

ギターの場合は左手はポジションを押さえなくてはいけませんから、実際には右手しか音を出せません。小指は使わないので右手の指4本だけです。この4本の指で、メロディーと伴奏を弾き分けます。

4本の指で別人格にならなければなりません。聞くと難しいですが、案外うまく弾けるものです。一種のマジックです。

何人かで集まって弾く重奏ならば、一人の人格に没頭できます。ピアノは何人も集まって弾くことはできませんが、ギターでは、二重奏、三重奏、四重奏など、ソロにはできないことができます。

ギターを始めたくなったら、お近くのギター教室や重奏サークルなど探してみてください。楽しいですよ。